”ただ、愛されたかった…”

　最近、休みの日にになると、二人でよく花屋さんに行き、なんかしら仕入れてきて、ガーデニングみたいな真似事を、しているのだ。

　それで、朝の水やり当番は、勇太は仕事で朝早いため、必然的に瑠理になったのだった。
　そのガーデニングに、今日の朝、お水をあげてないのを、瑠理は思い出した。
　

　「花の水だったら、お好み焼き作る前に、あげたよ。
　瑠理は、朝弱いからね。
　普段は、ちゃんと、お水あげてる？きっと、時間がなくて、慌ててあげてるんだろうな。様子が、目に浮かぶよ。」

　瑠理が、まだ起きてこないうちに、勇太が、ちゃんとあげていた。


　「よかったー。ありがとう。一日忘れただけでも、しな～っとして、元気なくなっちゃうんだよね。仕事から、帰ってきて、あの姿をみると、悲しいよ、急いで、お水あげたり、栄養あげたりして、元気にするの大変なんだ。」

　瑠理は、言った後に気がついた。これでは、お水を忘れる時があると、ばらしているようなものだ。


「やっぱり、はなの水やり忘れる時、あるんだね。そう、思ってたけどね」

　勇太は、笑っている。


　
　「この前買ってきた、黄色の花のやつ、名前なんだったっけ？瑠璃、知ってる？今が、満開だね、綺麗だったよ」

　と言う勇太の問いに、

　「うん、すごい綺麗、でも、名前は、知らない。」

　瑠理は、即答だった。


「瑠理は、女の子なんだから、このお花は、なんて名前なんだろう？とか、思わないかなー。」


　「思わない。思った事なんて、ない。」