”ただ、愛されたかった…”
 瑠理は、美容院で働くか、他の仕事

 をするか考えた。

 自分のしたい仕事はない。


 絶対、無理だけど、歌手…。

 瑠理は、歌手に憧れていた。

 子供の頃、欲しい物をねだる子では

 なかった。

 でも、一つだけ、ねだって買って貰った

 物がある。
                            

 マイクがどうしても、欲しかった。


 カセットデッキにつなげ、よく歌っていた。

 エコーが、かかるのが、嬉しかった。


 
 でも、そんなのは、夢の話しで、まずは、

 目の前の問題。

 
 瑠理は、美容師になりたい夢は、無かったけど

 母親が、手に職をつけて欲しいと、言ってたから、

 美容院を、探した。

 母親の希望を、裏切る事は、すごく辛い…。




 運よく、募集している美容院があった。

 条件も悪くない。


 面接の日が決まった。


 
 

 
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