”ただ、愛されたかった…”

 「はじめまして、安藤早苗です。宜しくお願いします。」

 一緒に働く新しい仲間が、入ってきた。

 瑠理と同じ歳。

 何でも、話し合える友達になった。

 朝は、駅で待ち合わせて、一緒にモーニング。

 それから仕事に行く。

 帰りも、よく一緒にご飯を食べた。

 本当に、いっぱい喋って、いっぱい笑った。



 「早苗、オーナーの事どう思う?」

 別に深い意味はなく、早苗に聞いた。

 「…私、好きかも…」

 「えっ、…そうだったの?」

 早苗は、オーナーの事を好きだと瑠理に言った。


 瑠理は、判るような気がした。

 確かに、素敵な人だし…。

 密かに、瑠理も、憧れていた…。

 でも、先に、早苗に告白されたから、応援しよう。

 少し、心が曇ったけど、その程度の多分、好き…。

 
 でも、その気持ちは、早苗には、言わなかった…。

 
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