”ただ、愛されたかった…”

ハプニング…。

 その日は、珍しくお店も静かだった。

 お客様は、二人だけ。

 ストレートパーマのお客様と、お仕上げのお客様。

 瑠理は、する事がなく、裏の休憩所で、洗い物を

 していた。

 「あっ、落としちゃった…。取れるかな?」

 パーマのすごく大きいロッドを一つ、洗い場と壁の

 間に落としてしまった。

 
 哲也先輩が見ていた。

 「洗い場を、少し動かせば取れるよ。二人で動かせば、動くと思うよ」

 哲也先輩と洗い場をうごかしてみた…。


 「うわあ~。」

 水が溢れてきた。

 動かしていけない物を、動かした。

 水道管が、割れてしまった……。

 どんどん、水が溢れてくる…。

 あせった…。

 オーナー以外のみんなで、雑巾とバケツを持って、頑張った。

 そんなんで、追いつくわけがない。

 どんどん溢れてくる…。

 
 お店では、オーナーが、お客様のお仕上げをしている。

 お店の床にも、水が溢れていった…。

 オーナーの足元、15cmまで水が…

 「なにやってるんだー!」

 オーナーが、怒鳴った…。

「元を、しめろ!」




 哲也先輩が、焦って水道の元を止めにいった。

 みんな、気が動転していて、気づけなかった…。

 大失敗だ……。


 すごく、責任を感じた。

 最悪の日。
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