”ただ、愛されたかった…”
「瑠理ちゃん、送ってあげる」

 「いいの?あゆみ先輩」

 あゆみ先輩が、送ってくれると言うから、車に乗った。

 でも、そうじゃなかった。

 話しをしたかったんだ。


 二人で、居酒屋に向かった。

 
 本当にびっくりした!

 「私、オーナーと結婚するの」

 「えっ?」

 「瑠理ちゃんには、最初に話しておきたかったの」

 ”オーナーとあゆみ先輩が、結婚する…”

 頭の中が真っ白になった…。


 「みんなにも、もう少し後で話すけど、瑠理ちゃんには、

 早く話しておきたかったの…」


 どうして話してくれたのか、よく判らなかった…。

 (瑠理の気持ち)誰にも言ってないのに、知ってるみたい…。

 それとも、先回りして、味方を作っておく為かな?

 一瞬だけ、酔いが醒めた…。



 今になって思えば、瑠理の気持ちあゆみ先輩には、

 判ってたんだと思う。

 それで、ややこしい関係にならない為に、話してくれたんだ…。


 
< 80 / 207 >

この作品をシェア

pagetop