”ただ、愛されたかった…”

　「でも、彼氏がいて、婚約してたんです…よね…。

　その彼氏、マンション買うとか、買わないとか…

　二人で暮らす為の…。」


　「うん、全部なしにしたの。全部白紙にしたの」

　あゆみ先輩は、はっきりそう言った。

　瑠理は、何も答えられない…。

　あゆみ先輩は、話しを続けた。

　「私ね、疲れちゃったんだ…。今まで、いろいろあって…。

　なんか、安心する場所が、欲しくなっちゃったの…。」



　瑠理は、気持ちが複雑だった。

　突然だったし、内緒で片思いの

　オーナーと、憧れのあゆみ先輩の結婚の事実。

　オーナーの結婚相手が、知らない人なら単純な嫉妬の感情。

　でも、あゆみ先輩だから、本当に困った…。

　だって、あゆみ先輩の事も、大好きだったんだもん。



　”あゆみ先輩の安心する場所は、オーナーと一緒に居る事

　だったんだね”


　”いっぱい、いろんな事あっただろうから、

　きっと今、幸せでいるよね”