”ただ、愛されたかった…”
 「早苗、絶対内緒だよ。」

 「どうしたの?瑠理」

 また、いつものように二人で、ご飯を食べていた。

 早苗が、オーナーの事を好きなのは、聞いて知ってる。

 オーナーとあゆみ先輩の事…。

 早苗の気持ちが気になる…。

 なんか、気持ちがややこしい…。

 早苗の気持ち…。

 自分の気持ち…。

 オーナーとあゆみ先輩の事…。

 早苗に話して、少しでも気持ちを落ち着かせたい。

 聞いたら、ショックなのはわかるけど、黙ってるのは、

 もっとまずい…。

 いずれ、わかる事だし…。

 
 「あのね、オーナー結婚するんだって。」

 「えー!誰と?」

 「あゆみ先輩…。」

 「…うそ…。」

 真っ直ぐに早苗の顔を見て、話した。

 早苗は、信じられないという顔をしてる。

 動揺が、見てて判る…。

 早苗は、一緒に働いてた中で、そういう事になってたっていうのが、

 嫌だと言った。

 教えて欲しかったとも言った。

 騙されてた気がして、納得できないと…。

 オーナーは、誰に対してでも優しい。

 お店の女の子にも、すごく優しい。

 早苗も瑠理もその優しさにを、勘違いしてしまったのかも

 しれない…。


 二人揃って失恋した。

 
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