”ただ、愛されたかった…”
「あゆみ先輩、私…もうお店には戻らないから…。」

 瑠理は、あゆみ先輩の方は見ずにそう言った。


「違うって…瑠理ちゃんと一緒に遊ぼうと思って来ただけだよ」

 あゆみ先輩は、少し困ったような顔でそう言う。


「オーナーなんか言ってました?」

「…うん、瑠理ちゃんに、もう若い子は使えないって言われたって…

 それでね、私思わず笑っちゃったの。余計、落ち込ませちゃった!」

 あゆみ先輩は、わざとなのかすごく明るく話してくれた…。

 オーナーやっぱり落ち込むよな…。ひどい事を

 言ってしまった…。

 あゆみ先輩は、その後は、お店の話しとか、一切触れてこなかった。

 瑠理の事も、一切責めたりしなかった。

 自分の昔話とか、関係ないような話、失敗話しなどで、

 いろいろ笑わせようとしてくれた。

 そんな気遣いが嬉しくあり、何故か、心も痛んだ。


 …素敵な女性…。


 どう…比べてみたって、瑠理が勝るものはなにもない。

 
 終わった…。
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