ゴシップ・ガーデン

日中なのに天気も悪いし
ブラインドも閉まってて
室内は暗いから電気をつけた。



準備室内には、
所狭しと園芸用品も
置かれている。



園芸用品を
キョロキョロ見てたら、


「他に置く場所がなくて」

ヒオカ先生は言い訳っぽく
はにかんだ。



机の横の棚に、
タオルやジャージの
ストックが入ってる。


そこからタオルを取り出して
あたしに差し出した。



「ありがとう」


ありがたく受けとって、
タオルを濡れた頬に押し当てる。


ふうっ、と息をついた。


ヒオカ先生は
もう一枚タオルを取り出して
広げると、

あたしの肩に
フワッとかけてくれた。


なんだか心の中まで
フワリと撫でられたみたいで、
くすぐったいような気分。



「すごい雨だ。
もっとひどくなる前に
送ってくよ」


ヒオカ先生は、
ブラインドを指で下げて
窓の外を覗いた。



「え、大丈夫だよ、
一人で帰れる」


両手を振って
大丈夫アピールをした。



「大丈夫でも送る。
危ないから」


ヒオカ先生は、
視線をブランドから
あたしに向けた。



会話をする上で、
これぐらいの返答だろうなと
想像してたより
真面目な声だったから、

あたしは若干面食らって、
ヒオカ先生の目を見つめ返した。