ゴシップ・ガーデン
時計を見たら、
もうすぐ10時。
今の時間なら、きっと仕事中。
だから仕方ないか…。
受話器を置いたら、
電話が鳴った。
表示を見たら、
母の職場の美容院からだった。
『まだ出勤してきてないんだけど、
どうしたのかな?』
心配する同僚の声。
母は、それまで無遅刻無欠勤だった。
仕事だけは、きっちりする人。
それなのに…。
酔っぱらって、
どっかの路上とかで、
眠り込んでんじゃないの?
もう一度彼氏に連絡をしたら、
今度は出た。
『…何?』
不機嫌にくぐもった彼氏の声。
「母、一緒にいませんか?」
『…』
聞いても返事がない。
聞こえなかったのかな?
「もしもし、あの?母は…」
もう一度聞いてみたら、
ようやく彼氏は
怠そうな声で答えた。
『…知らない。
もう別れてるから、俺ら』
「え?」
別れてる?
『…じゃあ、もう切るから』
「あ、はい、
すみませんでした…」
あたしが言い切る前に
電話は切られた。
もうすぐ10時。
今の時間なら、きっと仕事中。
だから仕方ないか…。
受話器を置いたら、
電話が鳴った。
表示を見たら、
母の職場の美容院からだった。
『まだ出勤してきてないんだけど、
どうしたのかな?』
心配する同僚の声。
母は、それまで無遅刻無欠勤だった。
仕事だけは、きっちりする人。
それなのに…。
酔っぱらって、
どっかの路上とかで、
眠り込んでんじゃないの?
もう一度彼氏に連絡をしたら、
今度は出た。
『…何?』
不機嫌にくぐもった彼氏の声。
「母、一緒にいませんか?」
『…』
聞いても返事がない。
聞こえなかったのかな?
「もしもし、あの?母は…」
もう一度聞いてみたら、
ようやく彼氏は
怠そうな声で答えた。
『…知らない。
もう別れてるから、俺ら』
「え?」
別れてる?
『…じゃあ、もう切るから』
「あ、はい、
すみませんでした…」
あたしが言い切る前に
電話は切られた。