ゴシップ・ガーデン
落ち着こうと思って、
外に出た。



病院の中庭にあるベンチに
腰かけた。


日陰になってる場所だけど、
やっぱり外は蒸し暑い。

蝉の声がうるさい。



ケータイ取り出したら、
着信有りとメール有りの
表示が出てる。



父からの着信と、
メールはヒオカ先生からだった。




まず父からの留守電を聞いた。


『シイナ、
会って話したいことがある。

そっち行くから。
今どこ?

この電話に気づいたら、
電話ちょうだい』



電話をかけたら、
父はすぐに出た。


「お父さん、
今仕事なんじゃないの?」



『仕事は抜ける。今家?』



「…ううん、病院」


あたしは母のことを
軽く説明した。



『そうか、大変だったな。
…とにかく、
今からそっち行くから待ってて』


父は言葉少なめに、
早々に電話を切った。






ヒオカ先生からのメールを
開いた。


『図書館に来てないみたいだから、
どうしたのかと思って…。
何もなければ
それでいいんだけど…f^_^;』







病院内のカフェスペースで
雑誌を見ながら父を待っていた。



何なんだろう…。


雑誌をめくりながら、
内容はちっとも
頭に入ってこなかった。



嫌な予感で、
ずーっと胃が気持ち悪い。


嫌な予感を
掘り下げて考える気もなかった。


ただ、父が来るまで、
無心を心掛けた。



1時間くらいで父はやってきた。


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