ゴシップ・ガーデン
何であの時もっとヒオカ先生と
仲良くならなかったのかなぁ…

って、今さらながら考えたって
仕方がないことを考えたりして…。



だけど、
その頃のヒオカ先生は、
元カノとつき合ってたんだろうし、

どの道あたしには、
何もできなかったんだろうなぁ…。



あたし、なんだって
ヒオカ先生と元カノの
想い出がつまった場所に
一人で立ってんだろう。



うちひしがれたような気持ちだ。



考えないようにしてても
勝手に考えてしまって、

考え出すと、
気持ちが沈みきって、

寂しすぎて
消えてしまいたくなる。



ダメダメ、落ち込んでちゃ、
って顔を上げて
校舎をぐるっと見渡したら、
クラっとした。



夏の暑さのせいか
(日陰選んで歩いてたんだけど)、
気持ちの問題か、
フラフラしてきた。


ヤバいな…。



「頭イタ…」


額を押さえる。




目線の先にある校舎の入口から、
出てくる人影に目がいった。



その人が誰なのか認識する前に、
あたしの心臓は高く跳ねた。



「ヒオカ先生!」



何でこんなところで?!



驚きとときめきで
心臓がバクバクと脈打つ。



早鐘のように鳴り響いて、
ドキドキとグラグラするのとて、
身体がパンクしそうだった。



ヒオカ先生も
あたしにすぐ気づいた。


あたしを見て、
驚いた顔でかけよる。




「何で、ここに」

「どうしてここに」


ほぼ同時に口に出した。



< 182 / 215 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop