ゴシップ・ガーデン
「あ、あたしは、オープン…」



オープンキャンパスに来たの、
って言おうとしたら、
目が回ってふらついた。



「大丈夫?!」


ヒオカ先生は慌てて手を出して
あたしの肩を支えた。



ヒオカ先生に支えられて、
日陰に避難した。



すぐ近くの、
自販機の横にあるベンチに座って
休憩。




「はい」


ヒオカ先生は、
冷たいジュースを買ってくれた。



「…ありがとう」


面目ない。

けど頭が痛い。


日射病とか熱中症とか
いうやつだろうか…。



座ってちょっと落ち着いたけど。



ヒオカ先生は、
じっとあたしの顔を見つめて、

「顔色は…大丈夫そうだな」

ホッとした表情をした。



「うん、大丈夫」


ジュースを飲みながら、
ドギマギした。




ヒオカ先生は、
あたしの横に腰掛けた。



「オープンキャンパスか。

そういや、校内に、
高校の制服着た子何人か見たな」



「まだ、ここ目指すかどうかは
わかんないけど…。

オープンキャンパスに
行ってみたらって担任も言うし。
見学くらいなら、と思って…。

来週、東京の方の大学の
オープンキャンパスにも
行くつもり」



「そっか。うん、
見学するのはいいことだと思うよ」



「ヒオカ先生はどうしてここに?」



あたしの質問に、
ヒオカ先生は、ふっと何かを
考えるような目線をした。


でもすぐに
頬に笑みを浮かべて言った。


「ちょっと、ね。

この前、ゼミの教授に
会う機会があって、

懐かしくなって
研究室に寄ってきたんだ。

今日は補習の授業が
ない日だったから」



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