ゴシップ・ガーデン
『シイナちゃん、
もしかして誤解してない?

私の結婚相手は、
修ちゃんじゃないからね!』



元カノは
オーバーすぎるくらい
手を振って否定した。



『へ?』


思わず目を見開くあたし。



元カノも、大きな目を見開いて
力強くうんうんとうなずいた。




『シイナちゃん、
ごめん、ごめんね、
余計な心配かけちゃって』



元カノは、
まるで子どもにするように
あたしを抱きしめなだめた。



『そうですよ!
まぎらわしいんです!』



全身が脱力して、
涙がまだ止まらないあたしに、



『ゴメンね〜、よしよし。
カワイイなぁ、シイナちゃんて。

そんなに修ちゃんのこと
好きなんだ♪』


元カノは愉快そうに笑いながら
あたしの頭を撫でるから、
カチンときて、



『じゃあ、一体あたしに
何の用なんですか!』


八つ当たりみたく
取り乱してしまった。


恥ずかしい。



ヒオカ先生と元カノが
結婚するんだと思って、

本気で心臓が止まるかと思った。



しかも、いつの間にか、
あたしのヒオカ先生への気持ち、
しっかり知られちゃってるし!




元カノに連れられて、
オシャレなイタリアンに
場所を移して話を聞いた。



元カノオススメのお店で、
ごちそうしてくれるっていう。




注文したコース料理のサラダを
取り分けてあたしにすすめながら
元カノは切り出した。



『修ちゃんを説得してくれない?』



< 195 / 215 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop