ゴシップ・ガーデン
「うん。もう大丈夫。
パートにも行ってるって言うから。
元気だよ」


笑顔で答えてくれたから、
安心した。



「そっか、よかったね」


じゃあ、進学するのに
状況的には悪くはないってことかな。



「じゃあ、大学戻る気はないの？

夢だったって聞いたけど…。

別に紗彩さんに聞けって
言われたから聞いてるんじゃないよ。

あたしが聞いてみたいから
なんだけど…」



聞いてみたい。


ヒオカ先生のこと、なんでも。



だけど、変に踏み込んで
嫌がられたらどうしよう。


恐る恐る尋ねてみたら、
ヒオカ先生は、うーんとうなって、


「…もちろん、研究職は、
学生時代の夢ではあったけど、

今は…、今さらこの年から、
なれるかどうかわからない職を
目指すより、
安定を考えてしまうかな」


うなった顔のまま笑った。



真意はいまいち
わからない返答だった。



今の仕事を辞めてまで、
飛び込めないってことなんだろうな。



「でもまだ２５くらいでしょ？」


「もういい年だよ」



「そんなことないのに…。
…じゃあ、教師って楽しい？」



あたしも、ヒオカ先生には、
自分の好きな道に
進んで欲しいと思ってる。



だけど
したいと思うことに
進む難しさみたいなものは、
あたしにも理解できるつもり。



人それぞれに
色んな事情や思いがあるだろうから。



あたしも紗彩さんに同感で、
ヒオカ先生が今の仕事に
やり甲斐感じてるなら、
それでいいと思うし。



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