ゴシップ・ガーデン
地元についたのは、
もう夜の9時も過ぎたころ。
忍びこむようなカタチで
高校の中に入った。
暗くて静かな校内。
花のないバラの花壇の前。
忍びこむとかどうかと思ったけど、
恋を封印しようっていうんだから、
これぐらいの悪さは、
悪いことじゃない。と思う。
だって、どうしても
最後はこの場所がよかった。
厳密にいうと、
ここではないけど。
本来の場所は裏庭で。
ここは図書館横。
でも、植わったバラは同じ。
誰もいない時間だけど、
誰にも見られないように。
おでこを寄せ合うように、
ひっそりとしゃがみこんだ。
あたしは線香花火を取り出した。
夏気分味わいたくって
買ったままそのままだった
たった一袋数本入りの線香花火。
ヒオカ先生と出来ればいいなぁ
と思って持ってきてたんだ。
機会が巡ってきてよかった。
ヒオカ先生が花火に火をつけた。
パチパチと音を立てて
花火は咲いた。
暗闇で花火に照らされて、
ヒオカ先生の顔が浮かび上がった。
あたしは心の中で、
その頬にキスをした。
あたしの視線に、
ヒオカ先生の頬が
くすぐったいようにほころぶ。
花火が落ちて消えて、
ヒオカ先生の顔が見えなくなった。
「とりあえず、消しとく。
あたし、優柔不断だから、
残ってたら、
絶対メールしたくなっちゃうから」
もう夜の9時も過ぎたころ。
忍びこむようなカタチで
高校の中に入った。
暗くて静かな校内。
花のないバラの花壇の前。
忍びこむとかどうかと思ったけど、
恋を封印しようっていうんだから、
これぐらいの悪さは、
悪いことじゃない。と思う。
だって、どうしても
最後はこの場所がよかった。
厳密にいうと、
ここではないけど。
本来の場所は裏庭で。
ここは図書館横。
でも、植わったバラは同じ。
誰もいない時間だけど、
誰にも見られないように。
おでこを寄せ合うように、
ひっそりとしゃがみこんだ。
あたしは線香花火を取り出した。
夏気分味わいたくって
買ったままそのままだった
たった一袋数本入りの線香花火。
ヒオカ先生と出来ればいいなぁ
と思って持ってきてたんだ。
機会が巡ってきてよかった。
ヒオカ先生が花火に火をつけた。
パチパチと音を立てて
花火は咲いた。
暗闇で花火に照らされて、
ヒオカ先生の顔が浮かび上がった。
あたしは心の中で、
その頬にキスをした。
あたしの視線に、
ヒオカ先生の頬が
くすぐったいようにほころぶ。
花火が落ちて消えて、
ヒオカ先生の顔が見えなくなった。
「とりあえず、消しとく。
あたし、優柔不断だから、
残ってたら、
絶対メールしたくなっちゃうから」