ゴシップ・ガーデン
あたしの顔、
なんかついてる?

不思議そうなあたしの顔を
なおも笑顔で見てる。


「…いや、何て言うか…、
安心した」


「安心?」




「やっと見れた。
今みたいな笑顔」


ヒオカ先生は優しい顔をした。

あったかい笑顔。


「…4年前も静かで
大人びた子だと思ってたけど、

高校でも周囲と
騒いでる姿とか見ないから…」




あたしは、基本いつも一人。


休み時間は、
本を読んでる。


放課後は、
図書館で勉強してる。

母子家庭で余裕なくて
塾行けないからなんだけど。



その辺の、女子高生とは、違う。



「やっと年相応っていうか、
明るい顔見れて、
…安心した」


声には親しみがこもっていた。


ヒオカ先生はすぐに
あたしから視線を
外してしまったけど、

あたしはヒオカ先生の
横顔を見つめながら、
ぽつりとつぶやいた。



「先生は、あたしのこと
知ってるからかな…」




別に一人は苦じゃない。


ただ、苦手なだけ。

友達をつくることが。




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