ゴシップ・ガーデン
昔っからよく、
何考えてるかわかんないとか、

そっけないとか、
言われるけど。



「別に人から遠ざかってる
わけじゃなくて、

誰かと友達になろうと思ったら、
家族のこととか
隠し通していられないでしょ?


すごく仲良くなれる人だって
初めからわかってたらいいけど、

そうならないかも知れない人にまで、
話したくないんだ自分のこと」



聞かれたくない。


言いたくないから、
気づいたらいつも一人が多い。


千早以外は、
うわべだけの友だちだけ。



千早のいない今の日常で、
あたしが話したいって思える人は

ヒオカ先生だけだった。





4年前、

お酒が入ってたから
かもしれないけど、


片づけしてる最中と
買い出しに行く道すがら、

ヒオカ先生に
あたしの生い立ちを話した。




あたしが不倫の末に
生まれた子供だってこと。

望まれない汚れた存在だって。

だってあの頃は、
まだ実の父を見たこと
ないときだった。



親が離婚したあと、

こっちに引っ越してきてすぐ
彼氏を家に居座らせた母が、

近所の人から陰で
“アバズレ”って呼ばれてたこと。


家で、上半身裸の母の彼氏を
見るのが嫌ってこと。

狭いアパートなのに。


だから、千夏姉の家に
厄介になっているってこと。




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