ゴシップ・ガーデン
女の子たちは、
ヒオカ先生の噂話で
盛り上がってる。


「ねー、ヒオカ先生って、
いっっつもテンション
低くない?!
表情あんま変わんないしさ」


「でも、教え方は、
めちゃ丁寧だよね」


「きっとスゴイ真面目な人
なんだよ」


「よく見たらさ
整った顔してると思わない?」


「たまにニコッて笑うと
レアでカワイイよね!」



あの子たちよりも、

あたしのほうが
ヒオカ先生のこと知ってるわ。


でもなんだか
気分は重い。


女の子たちの前を
あたしは黙って
通り過ぎた。






その日は結局
裏庭では会えなかった。



たまたまタイミングが
悪かっただけなのか、

それとも、
避けられてる…?



あたしも暇じゃないから
すぐに帰ったんだけど。



会う約束なんて
してるわけじゃないし。


今までだって、
タイミングあわなくて
会えないこともよくあったし。


別にあたしたち
そういう関係って
わけじゃないし。


“そういう関係”って、
どういう関係よ。

って自分につっこんで
ちょっと笑ってしまった。




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