ゴシップ・ガーデン
今日は、いた。

バラに水を
あげてるのが見える。



これからあたし、
とんでもないこと
言おうとしてる。



アップテンポな
サックスのメロディーに
背中押される感じで、

あたしはためらわずに、
一直線にめざした。



ヒオカ先生のところまで。






「あたしのこと、
微妙に避けてない?」



いきなりそう切り出すと、

ヒオカ先生は、
一度気まずそうに
目をそらした。


けど、すぐに
あたしの目を
ちゃんと見直した。



「…避けてるつもりはないよ。

ただ、ごめん、
どういう態度とったらいいか、
すごく、考えてしまって…。

でもちゃんと
話さなきゃって
ずっと思ってた」



今何考えてるか
わかんないけど、
ヒオカ先生の顔、
緊張してる。



「はっきりさせときたいの。
あたしたちの関係」


あたしの言葉に、
時間がとまったかのように、
ヒオカ先生は
じっとあたしを見た。




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