ゴシップ・ガーデン
「…いつも強引なんだから」


「なーに言ってんの!
脱いだほうが断然イケてんじゃん!
ほら、自信持って背筋伸ばして!!」


千早は、
腕を隠しながら縮こまる
あたしの背中をバシバシ叩いた。


…こーゆーとこが
千早のいいところなんだと思う。



「結局、振り袖は着なかったんだ」


あたしは千早のワンピを指差す。


千早の着ている
濃いブルーのティアードワンピは、
超ミニで、すらっとした長い足を
惜し気もなく出している。


元気いっぱいの千早にピッタリ。


「そう。だって着物は絶対お腹苦しいし!
何も食べらんないじゃん?!
ここ料理美味しいらしいよ!
立食だからさ、ガンガン食べよ!」



千早に連れられて
新郎新婦の控室に入った。


ソファーに座ってた千夏姉と
新郎の友吾兄が立ち上がって
満面の笑みでむかえてくれた。



「シイナありがとね、
来てくれてうれしい」


千夏姉は白いワンピに、
手には大輪のピンクのバラの
ブーケを持ってる。


ピンクのバラって、
千夏姉のイメージとは
ちょっと違ったけど、
とてもキレイ。



千夏姉はニコニコ落ちついてるけど、
友吾兄は緊張気味でウロウロしてる。


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