ゴシップ・ガーデン
千夏姉たちは、
パーティー前で忙しいだろうから、

あたしは
あいさつそこそこで控室を出て、

パーティー会場のレストランに入った。




次々訪れる来客の中に
ヒオカ先生の姿も見える。


ちょっとハッとしてしまった。


見慣れた白衣と違って
礼服の黒いスーツ。


いつもと違うスーツ姿も
かしこまっててイイな。




千夏姉の友人たち。

あたしも会ったことある人
多いはずなんだけど、

あたしの記憶力が悪いのか、
みんなの見た目が変わったからか、
遠目からだとあまりピンとこない。


やっぱりもう社会人だから、
見た目もずいぶん落ちついてるし。





パーティーが進行して、
盛り上がる会場内を
離れたところから見守った。



千早と二人で壁の花っていうの？

あたしは会場の端の椅子に座って
久々に生で千早と話をしてた。




しばらくぶりに会った千早は
すごく可愛くなっていた。


メイクもしっかりしてて、
イキイキしてるっていうか、
輝いてる。


メイクだけのせいじゃなく、
恋してるからなのかな。



「普段もメイクしてるの？」


「まぁね」


「同じクラスに好きな人いるって
どんな感じ？？」


「やっぱ張り合いでるよ。
学校行くの楽しみになるし。

ダルくても行こうって思える。
ただ気抜けなくて大変だけどさ」


千早はマスカラをしっかり塗った
マツゲをパチパチさせて、
ツヤツヤした唇がニュッと笑った。

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