ゴシップ・ガーデン
千夏姉も友吾兄も
意地をはってるだけで、
お互いのことが好きなのはそのまま。
だからあたしは、
それぞれの話を聞いて、
それぞれに伝えただけ。
ただ、それだけ。
「危機を救っただなんて
大袈裟だよ」
「後にも先にも
別れを考えるくらいケンカしたの
あの時だけだったって
千夏言ってた」
「あたしが何もしなくても
仲直りしてたかもしれないし…」
「けど本人たちは感謝してる。
…独身の同級生の前で、
一番若い女の子には
ちょっと渡しにくいから、って。
こっそり渡してくれって
頼まれたんだ」
ヒオカ先生は再度ブーケを
差し出した。
「でもなんで、ヒオカ先生が?」
「なんでだろう。
千夏も自分で渡せばいいのにな。
庭に出てく佐野さんに気づいて、
様子見に行こうとしたら呼びとめられて。
“シイナ追いかけるならコレ渡して”
って言われたんだ」
って首をかしげるヒオカ先生から、
あたしは両手でブーケを受けとった。
意外とずっしりしてる。
結婚式で、
花嫁のブーケをもらうと、
次に結婚できるっていうけど。
「あたしにはまだ早いよ」
ブーケを見つめながら微笑むと、
「そうだよね」
ヒオカ先生も
微笑んでるのが感じられた。
すいよせられるように
目があった。
薄暗いロマンチックな庭で
二人きり。
どぎまぎするのを隠すために
ブーケに顔をうずめて
香りをかいだ。
意地をはってるだけで、
お互いのことが好きなのはそのまま。
だからあたしは、
それぞれの話を聞いて、
それぞれに伝えただけ。
ただ、それだけ。
「危機を救っただなんて
大袈裟だよ」
「後にも先にも
別れを考えるくらいケンカしたの
あの時だけだったって
千夏言ってた」
「あたしが何もしなくても
仲直りしてたかもしれないし…」
「けど本人たちは感謝してる。
…独身の同級生の前で、
一番若い女の子には
ちょっと渡しにくいから、って。
こっそり渡してくれって
頼まれたんだ」
ヒオカ先生は再度ブーケを
差し出した。
「でもなんで、ヒオカ先生が?」
「なんでだろう。
千夏も自分で渡せばいいのにな。
庭に出てく佐野さんに気づいて、
様子見に行こうとしたら呼びとめられて。
“シイナ追いかけるならコレ渡して”
って言われたんだ」
って首をかしげるヒオカ先生から、
あたしは両手でブーケを受けとった。
意外とずっしりしてる。
結婚式で、
花嫁のブーケをもらうと、
次に結婚できるっていうけど。
「あたしにはまだ早いよ」
ブーケを見つめながら微笑むと、
「そうだよね」
ヒオカ先生も
微笑んでるのが感じられた。
すいよせられるように
目があった。
薄暗いロマンチックな庭で
二人きり。
どぎまぎするのを隠すために
ブーケに顔をうずめて
香りをかいだ。