ゴシップ・ガーデン
花嫁の大事なブーケ。


あたしを選んでくれたこと、
千夏姉の心遣いがうれしかった。


千夏姉から直接もらったほうが
うれしかったかもしれないけど、

ヒオカ先生から
もらえたことに
うれしいと思った。


特に意図はないにしても、
ナイスだ千夏姉。



ヒオカ先生と二人きりに
なりたかった。




「そういえば、先生、
修ちゃんって呼ばれてたね」


何気ない風をよそおって聞いた。

ほんとうは、
すごく気になってるんだけど。
あの女の人のこと。



「…ああ、そう。
昔からそう呼ばれてて」


ヒオカ先生は、
特に何でもない感じで
あっさり返事した。



何故か、チクリと傷ついた。



「あの女の人…」


「同じゼミの子だよ」


「ふーん…」


それ以上聞けなかった。

知りたくないと思ったから。



話題を変えようって思ったけど、
何も出てこなくて
しばらく景色に目を移した。




あたしは、
改めてヒオカ先生の顔を見た。



それに気づいたヒオカ先生が、
視線をあたしの顔に向けた。


二人の視線が交わる。


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