異例な彼氏【短編】
私が飲み込むと、
男は、そっと唇を外した。

目を閉じたままの私…

口元に感じる男の吐息に、男の顔が、
まだ
自分の目の前にあると
わかる。


目を閉じたままの私…


「感じた?……」


男が、
私の耳元で囁いた



私は、
返事をせず、
じっと仰向けで
目を閉じたまま。


男が、
溜め息をついた



私は、何故か、
涙が出てきた。


「早く、服を着ろよ」

男は、
そう言って、
何処かへと
私から離れた。
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