Sweet Life【Sweet Dentist短・中編集】
青い空に輝く太陽のような金の髪に指を滑らせると

冬の凍てつく空のようなグレーの瞳が切なげに伏せられる。

対極ともいえる二つを合わせ持つその美しさを際立たせるように、彼の背後に広がる夜景。

まるで夜の支配者のように妖しく美しい男性《ひと》に、あたしはゾクッと身震いをした。

彼を愛することで闇に堕ちると言われようとも、この想いを止める事なんて絶対に出来ない。

心も身体も、あなたの全てをあたしが独占したいの。

お願い…

あたしの全てを受け止めて…。


唇から伝わる熱に溶け出すチョコレート

彼はあたしの想いに応えるように腰を抱くと、優しく舌を絡めてくれた。

最初は軽く触れ

少しずつ深く絡めとっていく

キスが深くなるたびに

チョコレートは媚薬に変わっていく。


もう言葉はいらなかった。



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