Sweet Life【Sweet Dentist短・中編集】
ふと、まだ高校生の頃に幼い千茉莉と初めて出逢った日の事を思い出して、『ロリコン』という単語が脳裏をかすめた。


……ち・がーうっ!俺はロリコンなんかじゃねぇっ!


まあ、何だ。千茉莉が大人になるまで待たされていたって所なんだろうな。

なんせ、12才の年の差だからなあ…。
あと数年出逢いが早かったら、下手すりゃ犯罪者扱いだったんじゃねぇか?

自分で思ったこととはいえ、『ロリコン』という言葉が余りにもリアルで、何だかズーンと落ち込みながら、店を出るお客さんを見送る千茉莉の姿を眺めていると、不意に視線がぶつかった。

別に悪いことをしている訳じゃないのに、ドキッとしてしまったのは、ストーカーに不審者にロリコンと、かなり怪しい三拍子がそろったように感じる今の自分の状況からだろうか。



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