Sweet Life【Sweet Dentist短・中編集】
何と言っても三十路にもなったこの俺が、クリスマスからホワイト ディまでの『恋人たちの冬の甘々一大イベント』を経験するのは千茉莉とが初めてだっつーのだから…

まるで俺が本気の恋と出逢い本当の愛を手に入れる為に、今まで何か大きな力に邪魔されていたように気がするんだよな。

この年まで世の中の恋人たちが愛を確かめ合う、ラブラブイベントを知らずに過ごしてきたことも…

歯医者の俺がパティシェの卵に夢中になってしまったことも…

全ては特別な意味を持っていた事なのだと、今なら思える。

ずっと不思議だったんだ。

嫌がらせから俺に別れを告げる彼女を、何故一度だって無理に引き止めようとは思えなかったのか。

好きだったはずなのに、何故そこまで執着できなかったのか。

だけどやっと分かった。


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