Sweet Life【Sweet Dentist短・中編集】
「ちっ…千茉莉? あのさ…」

「シッ! 黙って」

はい。ゴメンナサイ

千茉莉は全神経を逆立てて俺を睨んでいる。

彼女をここまで怒らせてしまったのなら、殺されても文句は言えないと観念した。
せめて死ぬ前に、理由くらい聞いておきたかったなぁ。

俺はこんなにお前を愛しているのに…

お前の気持ちって、その程度だったのかよ…


「千茉莉…愛してる…」
「覚悟っ!」


俺の最後の告白を掻き消す千茉莉の冷たい声。

ドスッと鈍い音がして、手にした銀の刃が突き立てられた。



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