Sweet Life【Sweet Dentist短・中編集】
痛みはないが、全身の血が引いていくのを感じる。



「千茉莉…愛してたよ。お前に殺されるなら本望だ…」



「何言ってんの? 響さん」




――え?




あれ? 生きてる?

ってか、どこ刺されたんだ俺?

ゆっくりと凶器の行方を追った俺は…

マジで死ぬほど驚いた。


鈍い銀色に輝くそれは…


俺の股下5cmの壁に突きたてられていた。

あっぶねぇーっ!

つか、こんなところに普通突き刺すかっ?

「ちっ…千茉莉? これはどういう…」

動揺する俺を他所に、突き立てられた包丁を抜くと、その切っ先を俺の鼻先へと向ける。
今度こそ胸を刺されるのかと、一瞬ビビったが…

その刃先には既に先客が無残にも体を貫かれていた。



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