Sweet Life【Sweet Dentist短・中編集】
たとえば…いつものキス攻撃も無く寂しいくらいスッキリと目覚めた時、隣に響さんはいなかった。
それだけでも摩訶不思議といえる程なのに、ありえないことにキッチンからコーヒーの香りが漂ってくる。

……誰がコーヒーなんて淹れてるの?

あたしじゃなかったら響さんしかいないんだけど、彼が自分で朝からコーヒーを淹れるなんて普段ではまずありえない。

もしかしたら、まだ夢を見ているのかもしれないと思いつつ、恐る恐るキッチンへ向かうと、ちょうど響さんがコーヒーをカップに注いでいるところだった。



……うそでしょ?



これって、やっぱり夢だ…

コーヒーが飲めないわけじゃないけれど、彼は紅茶に拘りがあって、基本的に勧められない限りコーヒーを好んで口にすることは無い。

普段の彼ではありえない光景だ。



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