Sweet Life【Sweet Dentist短・中編集】
一緒に食べようと誘う彼を無視して頭を抱えるあたしを見て、響さんがクスクスとおかしそうに笑う。
その笑顔はあくまでも爽やかで、いつものようにあたしをからかう様子でもなければ、ペタペタと甘えてくる様子でもない。

なんていうか…紳士なんだよね?

いつもは30才とは思えないくらい、甘えん坊で片時もあたしを開放しない響さんが、今朝はまだキスもしていない。

俺様で、わがままで、キス魔で、触り魔で、どうしようもないエロオヤジだけど…

それが無いと何だかさびしいような気がするって、あたしはスッカリ彼の毒牙に染まってしまったのかもしれない。

でも、どんな色であっても、彼に染めてもらえるのはやっぱり嬉しいと思う。

本当はとても優しくて、あたしを誰よりも愛してくれる響さん

彼だからこそ、何色にでも染めて欲しいと思えるのだから…

紳士じゃなくてもいい、爽やかじゃなくてもいい…



お願い…いつものあなたに戻って…。




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