Sweet Life【Sweet Dentist短・中編集】
俺って、熱で人格変わるのかぁ?

信じられねぇけど、甘いもんが食いたくなるのか…

口調まで別人みたいに変わるとか言ってたよな。




……別人みたいに?




まてよ?記憶の無いうちに、その別人みたいな俺と千茉莉って何かあったのか?

熱があろうがなかろうが俺は俺だ。
千茉莉が傍にいて、まったく何もしなかったなんてありえない。
…って、こんな事で自信を持っていいのかよ、俺っ?

だが、別人みたいだったと言われては、少々嫌な気持ちが胸に広がるのは否めない。


まさか、熱のある俺のほうが良いとか言わねぇよな?


「あ~、千茉莉。……その、なんだ。俺は…その…どうだった?別人みたいってさ、嫌だったか?」

自分のことなのに、出来れば『嫌だった』と言って欲しい…っつーのは、複雑な心境だ。

だが、やっぱり今の俺が一番でありたいんだよな。

「ううん、嫌じゃ無かったよ。話し方も優しくて、いつもより穏やかだったし、あたしの作るお菓子を美味しそうに食べてくれたの。響さんも甘いもの食べれるんだって分かってすっごく嬉しかったよ。」

満面の笑みで、語尾にハートがつく勢いで、ヤツを褒め称える千茉莉。

俺の中でヤツは消滅させるべき存在として、速攻でインプットされた。



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