Sweet Life【Sweet Dentist短・中編集】
くっそーーー!
一生の不覚だ。俺の中の別人格に千茉莉があんなに嬉しそうに微笑むなんて!
千茉莉が俺よりもヤツに惚れてしまったりすること…ねぇだろうな?
冗談じゃねぇ。
どんなに腕っ節が強くても、相手が自分じゃどうしようもねぇじゃねえか。
もう絶対に熱なんて出さねぇっ!
何があっても、二度とヤツを表に出してやるもんかっ!!
白い首筋に俺の記憶にない華が咲いて無い事を確認してホッとするが、まだ油断は出来ない。
「…あいつと俺、どっちが良かった?」
「え?」
「なぁ?ヤツと何したか教えろよ。」
「え?ヤツって…熱のあったときの響さんのこと?」
「そう、俺と何をした?」
ベッドの淵に腰掛けている千茉莉の瞳を覗き込みながら、問い詰めるようにジリジリとベッドの中央へと追い詰める。
「なっ…何をって…?」
「キスとかしたのか?」
動けば唇の触れるほど近い距離で、甘く囁くと、千茉莉が真っ赤に頬を染めた。
その表情を見た瞬間、俺の中でプチと何かが切れ、千茉莉をベッドに縫いとめ深く口付けていた。