Sweet Life【Sweet Dentist短・中編集】
「…そう言えばさ、さっき本音を聞けたのは嬉しかったけど、何かすげー暴言が混ざっていたよな?エロオヤジとかなんとか…。」

「えっ?…気のせいじゃない?空耳よ。」

アハハと笑って誤魔化す千茉莉に苦笑しながらも、俺の本質を愛してくれている事が嬉しくて、今日だけは暴言も許してやろうと寛大な気持ちになっていた。

だが、本音を見せるつもりはもちろん無い。

「誤魔化すな。ちゃ~んと詫びてもらうからな?俺をヤキモキさせた罰も含んで、とりあえずはSweetKissを5分だ。」

ええ~?と不満げな千茉莉だったが、俺は昨日一日千茉莉とキスした記憶が無いんだから、いい加減バッテリー切れを起こしかけているんだ。
昨日の分も補充しないとおかしくなってしまいそうだもんな。5分なんて言ったけどそれで済ませるつもりは無いぜ?

もう一人の俺が、あの甘い唇を喰っちまったと思うだけで、普段の倍は補給しないと神経が逆立って冷静でいられそうには無いからな。

少し不服そうだったが、俺を殴った弱みがあるためか、すぐに柔らかな唇が触れてきた。

小さなキスを繰り返し、少しずつ深めていくと、フワリと優しく天使の羽に抱きしめられる感覚が俺を包む。

やっぱり千茉莉のキスは甘い。

お菓子の甘さは苦手だが、唯一心が欲しいと思えるお前の甘さは別格だ。

魂を包み込むような甘さに、心が癒され解きほぐされていくのがわかる。



愛しているよ…千茉莉。



お前だけは何があっても誰にも渡す事なんてできねぇよ。


たとえそれが、俺の中に眠るもう一人の俺であったとしても…。


俺はその言葉を胸にしまい込み、天使の羽の中に身を沈めた。




++休日の朝は甘く?熱く??Fin++


※この作品タイトルはモバイル用です。本家では1周年記念作品として公開されています。


< 51 / 130 >

この作品をシェア

pagetop