Sweet Life【Sweet Dentist短・中編集】
「ネ~亜希ちゃん。デートしようぜ?」

「ダメです。しません。」

「俺の事そんなに嫌いか?」

「嫌いとか…そんなんじゃないですけど…でも、そういう好きじゃないんです。そんな風には見れないから…。」

「じゃあ、そういう好きになって?」

自分でもシツコイ奴だと思う。俺って本当懲りない奴なんだなあ。

「なれません。」

はあ、やっぱりか。

「じゃあさ、駅前に上手いって評判のケーキ屋ができただろう?店内で食えるらしいし奢ってやるから行こうぜ?別にこれくらいなら、デートって程でもないしいいだろう?」

「え?【SWEET】!わあっ、行ってみたい…っと。」

慌てて口に手をやってしまったと言う顔をする亜希

「イヤ、やっぱりだめです。先輩なら一緒に行きたい人が沢山いますよ。あたしなんかじゃなくてもっと綺麗な人を誘って行ってきて下さい。」

…ったく、ここまで拒否か?

「はぁ…。俺は亜希と行きたいんだよ。今日俺の誕生日なんだけどなあ。これくらい頼みを聞いてくれたっていいんじゃねぇ?」

「え?お誕生日なんですか?」

「そう、12月15日は俺の誕生日。覚えておいてくれよな?」

「すぐに忘れると思うけど…。」

「つめてぇ。来年は一緒に過ごしてプレゼントとかも欲しいんだけど。」

「却下です。」

「何でだよ~。」

「だ~か~ら~!何度も言ってるじゃないですか。怖いんですよ、響先輩もてるんだから自覚を持って下さいよ。先輩があたしの事かまうたびに嫌味言われたり、教科書隠されたりって大変なんですよ。困るんです。」

「……マジで?」

「マジです。だからお願い。あたしの健やかな高校生活の為に、かまわないで下さい。」


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