Sweet Life【Sweet Dentist短・中編集】
亜希を送って亜希の家の近くの公園まで歩く。自宅まで送られるのを嫌う彼女はいつもここで俺とわかれる。

今日も、いつもと変わらない帰り道のように見えるのに…。



「心配するな。明日からはもう亜希に付きまとわないよ。」

別れ際に俺は出来るだけ明るくそう言った。

「ありがとう響先輩。あのね、あたし…先輩に言わなくちゃいけないことがあったの。」

「なに?」

亜希は言葉を選ぶように視線を暫く彷徨わせていたが、小さく深呼吸してから真っ直ぐに見つめてきた。

ゆっくりと動く唇がスローモーションのようで亜希の言葉が夢の中の出来事のように聞こえた。



「あたし、明日から学校に来ませんから」



……言葉の意味が良くわからなかった。




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