Sweet Life【Sweet Dentist短・中編集】
別にケンカしているとかじゃないぞ?

そう、お察しの通り全てはあの悪魔のイベントのせいだ。

2月に入ってから俺だけじゃなく、千茉莉までもがやたら忙しい。

お菓子作りに情熱を傾けまくっている千茉莉は、バレンタインが近づくにつれ、日を追う毎に帰宅時間が遅くなっていく。

特にこの数日は追い込みとでもいうのか、毎日帰宅と同時にベッドへ飛び込むような日が続く。

どうせ飛び込むなら俺の腕の中にしろとか、他人のバレンタインチョコに情熱を込めるくらいなら、その分俺に愛情を傾けろと言いたい所だが…

やはり、疲れきった彼女を起こすのも可哀想で…

結局、反応の無い千茉莉を抱きしめて寂しく眠る日が続いてもう1週間になろうとしている。

…そろそろ限界だ。

彼女は甘いもの嫌いの俺が唯一喰える極上のSweetで、彼女のキスなしでは1日ともたずにぶっ倒れるだろう。

1週間飯を食わなくても衰弱しつつも生きていられるが、千茉莉を補給しなかったら潤いのかけらも無く干乾びて死んじまうだろう。



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