Sweet Life【Sweet Dentist短・中編集】
瞳が絡んだ瞬間、あたしの気持ちを察したようにフッと笑うと、いつものようにクシャ…と髪をかき回して耳元に唇を寄せる。

「千茉莉が嫉妬してくれたのがすげー嬉しかったから…今すぐに人のいないところで、すっげー長いキスしたい」

ゾクリと身体の芯から痺れるような甘いテノールと、凄く嬉しそうな彼の表情に、胸がズキンと痛むくらい大きく跳ね上がる。

言葉を失って放心している間に受付の女性にチョコレートの処分を頼むと、あたしを引きずるようにその場を離れ車に押し込んだ。

ドアが閉まると同時に降ってくるキスの雨…。

今朝、あたしに植え付けられた火種を煽るような熱いキスに、あたしは無意識に彼を引き寄せて自分から舌を絡めた。

彼を求めてもつれ合うように抱き合い、キスの合間に互いの身体を探りあい、更に感情を煽り立てていく。




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