Sweet Life【Sweet Dentist短・中編集】
ずっと傍で暮らしていたのに、心がすれ違うとこんなにも飢えるのかと思うほどに彼が欲しくて、今すぐにでも一つになりたいと身体が求めている。

だけど…

「ダメ、待って」

「待てない」

速攻で却下ですか?

あ、ちょっと?

イキナリ脱がせるスピードを上げるのは止めてよね。

別に逃げようってわけじゃないんだから。

「あーもう。ちょっと待ってってば」

「待てねーって。千茉莉指数のメーター、レッドゾーンを振り切ったから」

「はぁ?何よそれ」

「何でもいい。とにかく黙って補給させろ。俺が死んでもいいのか?」

「いや、そんなに簡単に死にませんって。5分だけ待ってよ。大事なことなんだから」

「何だよ。俺が死んでも構わないくらい大事なことって」

「もーっ!そんな事言ってないでしょ。でも、あたしにとってはケジメなの。だからちゃんと聞いて」

「ケジメ?」

「そう。そもそもあたし達がこんなにもすれ違うことになったのは、あたしがコレの完成に熱中しすぎたせいよね?」

あたしはカバンからチョコレートを取り出すと、テーブルの上で包みを解いた。


< 99 / 130 >

この作品をシェア

pagetop