正反対恋愛
「堆牙歌お?」

「俺…今日はいいよ」

「えぇ~何で?」

「喉痛ぇから」


まんざらでもない嘘。

1曲も歌ってねぇのに
喉痛ぇとかありえない。

「じゃあたしが歌う!」


改めて熱唱し始めた2人の姿を
俺はボーっと眺めていた。


「堆牙~」

「…な、何だよ」

「日向ちゃん可愛い」

「告ればいいじゃん」


チラッと増永に視線をやると
俯いて携帯をいじっていた。

「アドはもらったけどさ」

「…お前手早ぇよ」

「んなことねぇよ」

何ていいながらも
昂はすっげぇ笑顔だ。


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