正反対恋愛
──数分後

「うちここだよ」


増永という札が目に入り
チラッと増永の家を見た。

ごく普通の一軒家。

暗くてよく見えないが
家族団欒の雰囲気が味わえる。


「ありがとね、堆牙くん」

「じゃ明日」

「おやすみ」

増永の目も見ずに
俺はその場を去った。


増永の目を見ることが出来ない。
あいつはの目は…
何かを狂わせる。

俺の中の何かを…崩す。


「やっぱ苦手だわ」

ため息とともに零れた言葉は
俺の本音そのものだ。


< 15 / 33 >

この作品をシェア

pagetop