パラレルワールド
「ぶ………っ」
ぶ?
「はははっ!はははははっ!」
楽は大爆笑している。
「はー……まじで奈々お前馬鹿だな…」
「な…っ」
「口にトマトついてるし」
私の口に指をあてる楽。
「ごめん、藤崎さん。俺さ…やっぱコイツ好きなんだよな。こいつ馬鹿だし、泣き虫だし、好き嫌い激しいし、いじめられるし…」
おい?
「ほっとけないんだよ」
「そんな…っ楽先輩の馬鹿ー!野菜にうもれて死ねー!」
野菜女…藤崎さんはそう叫んで走り去った。
「野菜にうもれて…か」
「本望でしょ」
「なんでこっちみないわけ」
だって…あんな恥ずかしい暴走した後だと……
「顎にトマトついてるぞ」
「嘘!?」
顎をあけたアタシ。
「嘘。こっちみたな」
にやりとする楽。
こいつ…!!!
「最悪、野菜馬鹿!」
「なんだよ、こっちは必死でお前を野菜好きにさせようとしてたのにさー」
「なんで…っ」
「俺って八百屋じゃん?小学生まではよかったけど中学になったらそーはいかないっていうかさ」
はい?
「父さんも母さんも俺に継げ継げいいだしてさー、俺、絶対継がないってずっと言ってたんだけど…」
「楽が継がないとかそんなこと言うんだ…野菜好きなのに」
「あほか。あん時は野菜大嫌いだったしよーいっつも喧嘩喧嘩」
大嫌い!?楽が!??