光輪学院シリーズ・依琉の微笑
身内から気味悪がれていたある日、祖父が依琉の能力を聞きつけ、跡継ぎとしてこの家に引き取ってくれた。
―だが、依琉は今だからこそ思う。
両親や家族は自分の能力を否定したのは、こうなることを恐れたのかもしれないと。
祖父の跡を継ぐということは、家の全てを継ぐということ。
それすなわち、当主となることだ。
そうなれば敵が多く待ち構える。主に、身内が。
そんな戦場に向かわせない為に、あえて家族は能力を否定していたのかもしれない。
…事実、依琉が祖父の手で連れていかれた時、母親は最後まで泣いて能力を否定していた。
―わたしの子供は普通だから。変な力など持っていない―と。
しかし言葉は聞き入れられず、あれからもう7年の月日が経っていた。
依琉はそれから一度たりとも家族に会っていない。
母親がこの祖父の娘とは言え、9番目の子供だった。
本来ならば依琉が跡継ぎという立場になれるはずもなかった。
しかし能力を認められ、なってしまったんだからしょうがない。
母の家族は分家となり、自分は本家の世継ぎとなってしまったんだから。
そう思い、家族のことを思うことを依琉は止めていた。
しかし兄や姉はそうは思っていないだろう。
年上の二人が、千里眼という胡散臭い能力で跡継ぎになった依琉を快く思っているはずがなかった。
それは距離など関係なく、依琉は感じ取っていた。
祖父も何となく感じているらしく、それを心苦しく思っているらしい。
「そう言えばの、お前の従兄が婚約したい女性が出来たみたいだぞ」
黙ってしまった依琉に気を使い、祖父は話題を変えた。
―だが、依琉は今だからこそ思う。
両親や家族は自分の能力を否定したのは、こうなることを恐れたのかもしれないと。
祖父の跡を継ぐということは、家の全てを継ぐということ。
それすなわち、当主となることだ。
そうなれば敵が多く待ち構える。主に、身内が。
そんな戦場に向かわせない為に、あえて家族は能力を否定していたのかもしれない。
…事実、依琉が祖父の手で連れていかれた時、母親は最後まで泣いて能力を否定していた。
―わたしの子供は普通だから。変な力など持っていない―と。
しかし言葉は聞き入れられず、あれからもう7年の月日が経っていた。
依琉はそれから一度たりとも家族に会っていない。
母親がこの祖父の娘とは言え、9番目の子供だった。
本来ならば依琉が跡継ぎという立場になれるはずもなかった。
しかし能力を認められ、なってしまったんだからしょうがない。
母の家族は分家となり、自分は本家の世継ぎとなってしまったんだから。
そう思い、家族のことを思うことを依琉は止めていた。
しかし兄や姉はそうは思っていないだろう。
年上の二人が、千里眼という胡散臭い能力で跡継ぎになった依琉を快く思っているはずがなかった。
それは距離など関係なく、依琉は感じ取っていた。
祖父も何となく感じているらしく、それを心苦しく思っているらしい。
「そう言えばの、お前の従兄が婚約したい女性が出来たみたいだぞ」
黙ってしまった依琉に気を使い、祖父は話題を変えた。