恋と清涼感
そして今も教室の窓から近藤先輩の部活動場所である柔道場を眺めていることだけしか出来なかった。

「はぁ~私って以外と純真だなぁ」

「おっ、なにため息ついてんのさ。悩みがあるなら聞くぜマコっち」

そう近づいてきたのは中学から同じクラスの帰宅部男子・五十嵐くん。よく話し掛けてきてくれる。

「わかった!恋の悩みだろ?」

「えぇっ!?な、なんでよ?」

「俺って顔広いからこの学校のカップル事情にかなり詳しいんだぜ。結構いい女子で彼氏いないのマコっちくらいだからさ」

「へぇ、詳しいんだ、ふぅん…じゃ、じゃあさ柔道部の主将さんって彼女いるの?」

「えっ、あのゴリラにかよ?いるわけないじゃん!」

「そうなの…」

近藤先輩をゴリラと呼んだのに少しムカっときたが、それ以上に彼女がいないということが分かり嬉しくなった。

「…ところでさ、俺も今彼女いないんだよね~。マコっちはどんな男がタイプ何だい?」

「えっ、私?私はねぇ…努力して汗をかくスポーツマンがタイプかな」

「俺当て嵌まってねぇ!」

「それじゃ、じゃあね」

「え、あ、ちょっと、マコっち!」

彼女がいないのならば後は行動あるのみだ。私は教室を後にし、柔道場に向かった。


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