"code = choice"
でもそれが、あんな悲劇を招くなんて。
その時の僕には、想像さえもできなかった。
僕は全てを放棄した。
それ以外に、あの時の僕にはできなかった。いや、今の僕にも。
その後、若宮中学校への進級試験に落ち、近所の公立中学校に進学。ランクを落とした高校受験にも失敗し、滑り止めの第二中央学園高校に入学した。唯一の家族である父に見放された僕は、生活費だけを手渡されて放置されている。
仕方ない。許されないんだ。僕は何も求めてはいけない。夢も希望も、そして人並みの幸せも。
シークレット記事は、予想通りに友人や知人に宛てた日常生活を綴ったものだった。大学生活、私生活での出来事や写真、声だけではない生身の瀬戸 麻美がそこにはあった。
誰も知り得ない情報が目の前に広がり、僕は全てのファンに対して優越感を覚えた。
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