"code = choice"
確かに、彼女の言っている事が本当ならば、僕は限りなく怪しい。と言うか、犯人確定だ。でも、Zさんはパスワードを無効化するようなプログラムは組んでいないと言った。それに、愉快犯的な嘘を吐くような人物ではない。
大の字のまま思考を巡らせていたが、マウントポジションを取られたことで、再び弁解を始める。本気で命が危うい。目がマジだ。
「ちょっと待って下さい!!話します。全て話しますから、一先ず下りて下さい!!」
「はあ?本当でしょうね!!
私は平穏な生活を奪われたのよ。せっかく、普通の大学生として楽しく暮らしていたのに、あの日以来、迂闊に外出もできないし!!」
「も、もちろんです。当然、僕の無実も晴らしますよ!!」
無実・・・本当に僕は無実なのか?
ちょっとだけ、不安だ・・・
自分で口にしながらも、一抹の不安はぬぐい切れない。自分が作ったプログラムならば言い切れるが、僕は渡された物を使ったに過ぎないのだ。
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