"code = choice"

 直感で危惧したとおり、最初から敵意に満ちた口調で、彼女は反論の余地さえ与えてくれない。

「あれほど、次は許さないって言ったのに、またやったわね。いいかげん、他人に迷惑をかけるのは止めなさい!!
 本当に、警察に突き出すわよ!!」

 彼女が激昂している理由が、僕にはまったく分からない。
「あの・・・僕はいったい何をしたんでしょうか?」
「はあ?何をって!!」

 僕の問い掛けが終わるや否や、さらに口調が尖ってくる。
「とぼけるのは止めなさい!!
 私だけなら我慢するけど、他の人達のブログまで公開するなんて、マジで許せない!!」

 この人は、何を意味不明なことを口走っているんだ?
 と言うか、あれほど説明したにも関わらず、まだ僕がシークレット記事を公開したものだと思い込んでいるのか。

「何とか言いなさいよ!!」

 とは言え、この状況を終息させる手段が僕には無い。例え弁解しても、神経を逆撫でするだけに終わりそうだ。


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