"code = choice"
「私も注目していたんですよ。これは、明らかにハッキングする準備として、外部からウィルスを侵入させています。目的やウィルスのプログラムまでは分かりませんが、かなり熟練した人物が、高度な技術を用いていることは、まず間違いありません」
「つまり?」
「つまり、プロフェッショナルの犯行です。一般的なシステム管理者に、このトラブルを復旧させることは不可能ですね」
ああ、やはり。
僕が送信したプログラムが、システムトラブルを起こしているわけではないんだ。
しかし、この事実を、どうやって瀬戸 麻美に伝えれば良いのだろう。もう、本人に阿部先生と直接話しをしてもらうしかないのかも知れない。
「あの、先生・・・今の説明を、僕の知り合いにもして頂けないですか?」
「え?まあ、それは、別に構いませんが・・・」
阿部先生が応えている途中、突然、古典準備室の扉が開いた。
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