"code = choice"

「失礼しまーす。ここに前田君がいると思うんですが?」
 拓郎の声。
 扉を開けた人物は、僕を探しに来た拓郎だ。でも、あの面倒臭がり屋の拓郎がわざわざ探しに来るとは、何か急用だろうか?

「こっちにいるぞ」
「おお、いたいた」
 少しずつ拓郎の声が近付いてくる。
「浩平、お前の姉さんが教室まで訪ねて来てな、急用があるっていうから連れて来たんだよ」

「姉さん?」
 本棚の陰から拓郎が現れ、その後ろから鬼のような形相をした女性が現れた。
「こんな綺麗な姉さんがいて羨ましいよ。俺なんか、小生意気な弟しか・・・あれ?
 そう言えば、お前って一人っ子だったよな?」

「覚悟は良いでしょうね。今直ぐ、天に祈りなさい!!」
「げ・・・」
 アリサのセリフを吐き、拓郎を押し退けて、瀬戸 麻美が迫ってくる。全身から闘気を放つ様は、某世紀末伝説の覇者のようだ。

 ヤバい。
 この有無を言わさない威圧感は、殴り飛ばされる予感・・・


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